現在は指導案のみの紹介となっています。今後は考察などを行っていき、随時こちらにアップする予定です。
平成8年6月21日(金)
指導者 教諭 清水 雅之
1.主題名 「ゴミ問題を話し合おう」(自然愛護 3−(1))
2.目 標
自分たちの身近な生活の中にあるゴミに関心を持ち、自分の考えを明確にもちディベートする活動を通して、身近な生活において、ゴミを減らすなどの実践をしようとすることができる。
ディベートをする活動において、分かりやすい説明を心がけ、図や表などの資料を活用しようとすることができる。
3.題材と児童
(1) 題材について
4・5年生9名は5月中旬より、4年生を中心として社会科でゴミに関する学習を行ってきた。特に4年生は、自宅のゴミの様子などを写真に撮り、ゴミ新聞として、調べた内容をまとめる活動を行った。そのことにより、ゴミはほ とんど自分の家で処理することを知り、都会との違いを学習し、さらには自分の家でのゴミ処理のよさや改善すべき点などを話し合った。
5月24日には新潟大学付属新潟小学校の4年生とテレビ会議システムを利用して、ゴミ問題について話し合った。そこでは、松之山町と新潟市の人口とゴミ処理場に運ばれてくるゴミの量を比較し、一人当たりのゴミの量を比較する活動をすることができた。当校の児童より、新潟の児童に対して「ゴミを出さないようにしましょう。」などという意見も出された。
さらに、6月4日には松之山町の4つの小学校(4年生)が集まり、集合学習として、津南町にある清掃センターに見学に行って来た。清掃センターでは、熱心に見学するとともに、埋め立て地やゴミを実際に燃している場面を見ながら、ゴミを出すときのお願いやセンターが抱えている問題などを聞き、係りの人が困っていることを知った。
以上のことから、ゴミに対する関心が高く、ゴミを減らすための実践力を高めるいい機会であると考えている。
(2) 児童の実態(4年生:男子3名 5年生:男子5名 女子1名 計9名)
9名が在籍し、一人一人がたいへん個性的であり、明るく元気なクラスである。女子が5年生1人だけであり、様々な活動で不便さを感じるときもあるが、児童らは男女の分け隔てなく会話をしている。ただし、男子の活発さに押され、意見を持ちながらも授業では発表できないといった様子も見られる。
5年生男子5名はたいへん活発で、行動力がある。そのうちの1名は、この4月に神奈川県より山村留学生として転校してきた。地元の児童の学習環境や生活体験との違いが大きいが、その違いを様々な教科の中で生かしていくことで、地元の児童の知識や疑似体験に生かし、山村留学生を浦田の生活に慣れさせる手だてと考えている。
4・5年生クラスは過去にも数度、同じクラスになっている。そのため、現4年生はいつもクラスの中の下学年になってしまっている。4年生はクラスの中で下級生をもった経験が少なく、いつも5年生に押さえられている感じがある。4年生は発言を求められると、しっかりとした発言ができるが、5年生との授業では、なかなか挙手しようとしない。今回のゴミに関する学習は4年生の学習であり、これまでの学習を生かしていける場面であり、4年生が5年生の中で発言をしていくことができる機会でもある。この機会を有効にして、一人一人の発言力を高め、進んで活動に取り組める児童に育てていきたいと考えている。
4.研究テーマとの関わり
┌──────────────────────────────────┐ │<平成8年度研究主題> │ │ 自分の考えを明確にし、進んで表現する子供の育成 │ │ 〜ディベートを生かした授業の工夫〜 │ └──────────────────────────────────┘当校の研究では、昨年度まで研究の副題を「ディベートを用いた授業の工夫」として、主題を達成しようとしてきた。そこでは、「ディベートを教える」ということが研究の中心的なものとなってしまった。ディベートで話し合う内容が、児童の興味や関心から選ばれたものが少なかったことや、身近な生活にある問題といったものではなかったことなどが原因として考えられる。
本年度では、完全な形ではなくとも、教科の中にディベートを取り入れ、児童の話し合いの中で疑問になったことや、興味や関心があるものを論題とすることで、自分の考えを進んで表現する児童を育成していこうと考えている。
普通の授業では、短時間に自分の考えを決めなければならず、あやふやな意見しか持つことができない場合があるが、グループになってディベートをすることにより、全員の前で意見を言う前にグループ内で意見の妥当性を考えたり、根拠をグループ内で話し合えるなどの利点がある。このことなどを利用して、普段発言の少ない児童が、少しでも発言しやすい環境にできるのではないかと考えている。そして、ディベートを様々な場面で繰り返し行い、発表力や表現力を高めていきたいと考えている。
そのための手だてとして本題材(単元)では、これまでの授業の経過から、児童の関心の高い論題「ゴミに関する問題」を設定した。また、発言の妥当性を練りあったり、分かりやすく説明するための資料作りを行うための時間を多く設定した。このことにより、少しでも話し合いが噛み合うものにでき、相手の資料などをもとに、質問や意見が出せるのではないかと考えている。
5.指導計画(本時3/3)
┌─┬────────┬─────────────────┬─────┐ │時│ 学習内容 │ 具体的な学習活動 │留意点など│ ├─┼────────┼─────────────────┼─────┤ │ │ゴミ問題を話し合│尾瀬沼のゴミ持ち帰り運動に関する資│児童の関心│ │1│い、論題を決める│料を読み、そこに住む人々がどのよう│を高めるよ│ │ │ │にして自然を守っているか話し合う。│うにする。│ ├─┼────────┼─────────────────┼─────┤ │ │ディベートの資料│ゴミに関する資料を集め、そこから自│分かりやす│ │2│作り │分たちの意見が相手に伝わりやすい図│いものを作│ │ │ │や表などの資料を作る。 │るよう話す│ ├─┼────────┼─────────────────┼─────┤ │ │ディベートを行い│お互いに自分たちの意見を発表しあい│判定の基準│ │3│ゴミに対する関心│討論の仕方や内容を競い、ゴミに対す│を児童に伝│ │ │を深める(本時)│る自分の考えをしっかりと持つ。 │える │ └─┴────────┴─────────────────┴─────┘6.本時の活動
┌──────────────────────────────────┐ │<ディベート論題> │ │ ゴミを出すときには有料がいいか、無料がいいか。 │ └──────────────────────────────────┘(1) 本時のねらい
ゴミを有料にすべきか無料にすべきかについて資料をもとにディベートし、ゴミに関する問題を考えることができる。
自分たちの身近な生活の中にあるゴミに関心を持ち、それをディベートする活動を通して、身近な生活の中でゴミを減らそうとする心情を育てる。
(2) 展開の構想
新潟付属小学校の4年生とゴミに関する話し合いを行ったときは、ゴミに関する関心は高まったものの、事実を伝えあうような活動で終始してしまい、心情的な変化があまり見られたとは言えない様子であった。その原因として、次のことがあげられる。
・新潟付属小学校の児童とは初対面であり、意思の疎通が図られていなかった。
・ゴミに関する話をする資料が不足していた。
・音声が聞き取れない面があり、スムーズな会話ができなかった。
この反省を生かし、クラスの中でディベートを行おうと考えたのである。
児童は「無料がいい」とするグループ(5名)と「有料がいい」とするグループ(4名)に別れ、様々な面から自分たちの意見が正当であることを主張できるように構成する。これまで児童が行ってきたディベートは、言語だけの表現で相手に対して、自分たちの主張を行ってきた。しかし、言語だけの活動では、言葉を記録しない限り、相手が主張する内容を覚えなければならず、それが原因となって、なかなか噛み合わない話し合いが行われることになってしまう。そこで、そのような話し合いが少しでも緩和されるように、資料を作る時間を多くとり、図や表・グラフといった視覚的に理解できる資料を用意するようにした。これをもとに話し合いを行わせることにより、感情的な話し合いが少しでも軽減されるのではないかと思っている。(3) 本時の展開
別紙参照
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