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1999年2月算数講演会記録


1999年2月25日(木)晴れ 算数講演会 教育文化センター501室にて
<2時30分から>

1 問題発見と問題解決
2 豊かな心
3 生きる力

今度の指導要領では、算数では授業時数が減る以上に内容を減らす。ここに提示されている標準時数の8割で、おおむね標準的に指導ができるようにと考えている。残りの2割は、繰り返しによる定着や発展に使うが、学校の指導計画上の工夫や、各教諭の工夫に委ねる。
具体的には、14%がこれまでより減り、さらにその8割の時数で指導できるようにする。これを単純に計算すると約3割の削減となるが、これはマスコミが喧伝しているのであって、この3割削減について議論してもあまり意味はないと思う。各教諭の考えによろうが、どこにどれだけ時間をかけるかは、任されるわけで、そういう意味で指導要領はおおまかな指針と言える。ほぼ、これまで通りの指導でよいと思う。
今、各教科書会社で作成している年間計画でみれば、それぞれ標準時数の8割で指導しうるように作製しているはずである。すると、2割の余裕が出るが、それをどう使うかを各教諭が工夫すること。例として、問題解決学習や、くり返しによる定着、さらに体験的活動などに使うのもよいだろう。しかし、場当たり的な指導ではなく年間計画の中で得位置づけtもらいたい。今後3年間は移行への準備期間であるわけで、この期間に十分に考え、工夫すようにしてもらいたい。
指導要領に盛られている柱としては次のようにある。
・自ら学び、自ら考える中で培う生きる力〜すべて教えていてはいけないのであって、子供が考えること。そのために、教師が説明するべきところと教師が言わないで待つというところをはきりさせる必要がある。要は与えすぎないことでそのための工夫が必要である。算数の問題には条件不足の問題や条件過剰の問題がある。条件不足の問題に対しては文部省の調査では19%と出来が悪い。条件過剰では6割程度の正答率。余分な情報から必要な情報を選び出す力が問われる時代であるから、まだまだ満足な状態とは言えない。

ところで、内容を減らすについて批判もある。例えばNHKの「おはよう日本」で、「台形の面積」を減らしたが、ここは考えるのに面白い問題なのになぜ減らすのか、とあった。しかし、台形の求積を教えていけないというのではない。指導要領では標準としては減らすと言っているのであって、とりあげていけないというわけではない。台形をやらなくても、三角形や平行四辺形の面積の求め方をじっくりと自分でみつけていくという指導が大切ではないか。もし、児童が台形の求積をやってみたいというのであれば取りあげてもよいのである。その場合、教科書をうまく活用していくこと。楽しい内容というが、今でも楽しいのではないか。本当にわかって、本当の面白さがわかれば。

・どんな考えで厳選しているのかふれる。算数では、系統性を重視している。算数は系統性が明確である。その意味で積みかさねの学習と言えるのではあるが、それが一方では短所にもなりうる。前のことがよく身についていないために算数に困難を感じている児童がいるのは確かで、それを防ぐためにも、これからの学習に支障がないようにくり返し学習も必要であろう。

・では何が基礎・基本か。100人に聞けば100通りの答えが返ってくるだろう。事典では、もとになるもの、とか、いしずえ、などと出ている。これで言うと、しっかりとしたものっと言えるだろうか。「本」とは、柱のようなものか。ただ、あまり言葉の吟味をしても意味はないだろう。もとになるものとか、出発点、土台程度に、大切なものと考えればよいだろう。

・日常生活に必要な能力とは、「見通しをもつこと」「暗算」「買い物をすること」「新聞を読んだり、表やグラフをよんだりすること」「一緒に仕事をする」などなどといろいとある。この点について、算数の一例として「数と計算」では、「どこまで数を広げるか」という討議があった。だがその前に、計算の意味を理解するほうが大事であり、そのうえで必要な範囲の数で計算できることが大切ではないか。筆算なら3桁の計算が出来れば日常生活では不便はないだろう。

再度述べるが、「日常生活の元になるもの」「続けて学習していくために元になるもの」「様々な方向に進んでいくための出発点になるもの」「文化の継承〜人間らしさ、先代が工夫してきたものの継承」と考えられる。

・”学力はどうか”と心配される人もいる。平成12年度、13年度は移行期間であり、準備期間としては長くはないのかも知れない。では学力とは何かという議論になる。単に知識の量で言うのなら確かに知識の量は減るがそれだけが学力とは言えないだろう。知識、技能、考え方も含まれる。新しいものを自分で作っていく考える力、自分から関わっていく関心意欲、どう関わるかといった態度、そういうものも含めて考えればよいのではないか。考える力を中心に全体を考えれば、重要なことをじっくり学習し、身につける、新しいことを作りあげる。例えば新しい図形の面積をどう作りあげるか。指導要領には重要なことは確実に納めたと考える。むしろ、考える力を伸ばすということでよりよくなっているのではないかと思う。

(以下、資料に基づいて話を薦める)
総合的な学習は総則にかかれている。そこで、子供が身につける力、テーマの例もかかれている。
資料と提示した記事は、算数科の改善と内容。
ゆとりのなかで基礎基本の確実な定着。
体験と言うのは自分で確かめてみる。どれだけの量なのか自分で確かめる。例えば100mを歩いて確かめてみる。数量についての感覚を豊かにすることである。また自分達で作っていく。
楽しさ・充実感を味わえることにより、関心意欲が高まる、また算数が好きになる子が増える。子供の側から台形の面積を求めようと出るようになってもらいたい、と考えている。そのために2割の余裕を使ってもらいたい。
算数がよくわかるか、という点について文部省が調査をしたが、これからの参考になるかと思う。

学校生活が楽しいですかという設問では小学生ではほぼ3割が楽しいと答えている。
算数についての4年の調査。大好き、好きが71%、嫌い、大嫌いが29%。これは国際比較では、下からオランダ、日本と2番目にあたっており、心配である。
教師各自が工夫されていると思うが、子供が本当に充実感が味わえる、よくわかる算数を目指して。教師間でも、工夫や指導法などの情報交換をしてもらいたい。算数・数学が重要というのは共通の認識であるが、学校における授業はどうだったか(楽しかったか、よくわかったかなど)と聞いたが、中教審の方の反応は様々であった。

3番目は子供の主体的な学習の重視。自分で体験したりしながら主体的な学習を積極的に取り入れながら、学習する。
教科の目標だが、算数的な活動を通すこと、活動の楽しさに気付くことがあげられている。
16時05分


履修内容と習得内容について。3割程度がわからないという調査と、29%が嫌い、大嫌いと重なる。今度の要領ではどの程度を期待値としているのか。
そろばんは2年生から指導するのか。
小数は第一位までと言ったが、小数同士の計算での小数点移動の教え方は指導するのか。小数の指導はこれまでは半端な数をどうするかという課題で入ったが今後はどうなるのか。
A
期待値として具体的な数値はない。やはり0%を目指すべきと考える。
そろばんは、内容としては3学年になっている。ただ、低学年ではそろばんや具体的な教具を用いるという点をあげている。内容としては3年だが、教具としては1年生や2年生で用いてもよいということである。たとえば、2個と3個を合わせると5個になるというような面を具体的に表現するために扱うというようにである。数の意味を理解する程度にと考えている。だからそろばんでなく他の具対物でもよく、そろばんは他の具対物と同列なものと考える。
小数については5年生の数と計算の(2)に記述されている。これによって小数点の位置の移動を指導するようになっている。
小数そのものとしては小数第一位、第二位も指導する。また小数点の移動も指導する。
小数同士の計算の答えが正しいかどうかの指導は、特に取りあげることはなく、おおよそこの程度の大きさになるだろうという考え方のほうがより大切と考える。ただしやることは可能である。例えば「3.9×3.9」の計算は、指導内容として取りあげる。
16時19分 終了

添付資料
初等教育資科 平成11年1月号(No.698)

算数科の改善とその内容


文部省小学校課教科審査官

吉川武夫


本稿では、算数科改善の基本的な考え方と、算数科の目標の特徴を中心に述べることにする。

一 算数科改善の基本的な考え方


算数科の新しい学秘指導要領は、教育課程審議会の「答申」(平成10年7月)に基づいて改訂されたものである。教育課程審議会「答申」では例えば、自ら学び、白ら考える力などの「生きる力」を育成することや、ゆとりのある中で基礎・基本の確実な定着を図ることを述べている。それらは、算数科の学習指導においても重視していくぺきものであり、算数科改善の基本的な考え方となっている。

(1)ゆとりの中での基礎・基本の確実な定着

改善の基本的な考え力のひとつは、教育内容を厳選することで、子供が時間的にも、精神的にもゆとりをもって学習できるようにするということである。そうした中で、基礎・基本の確実な定着を図るのである。ゆとりのある学習の中で、いろいろな作業的・体験的な活動などに取り組み、数量や図形についての意味をよく理解したり、数量や図形についての感覚を豊かにしていくことができるようになる。例えば、数と計算の意味を具体的な作業や体験を通して理解していくことができるし、いろいろな量の大きさを体験を通して実感をともなってとらえることができる。また、図形を実際に作ってみたり、表やグラフを日常生活の場面に結びつけたりすることもできる。
子供が新しい方法を試みたり、自分で工夫し考えを進めたりするためにも、ゆとりは必要である。算数の問題を解決するときには、これまでに身に付けた数量や図形についての知識や考え方を生かすことができないかと、内容の関連を調ぺたり、試行錯誤をしたりすることもできる。根拠となることを明らかにしながら、筋道を立てて説明することができれば、自分にもよくわかるし、一緒に字び合う友達にもよくわかってもらえるようになる。
このようにしてゆとりを生かし、基礎的・基本的な知識や技能の習熟を図り、数学的な考え方を高めることができる。基礎・基本とは、子供の生活や学習での様々な活動のもとになるものである。例えば、「日常生活での活動のもとになるもの」「学校でのいろいろな学習のもとになるもの」「算数を続けて学習していくもとになるもの」「将来の社会生活や生涯にわたっての活動のもとになるもの」などがあげられる。そうした活動を支障なく進められるようにするために、必要に応じて繰り返し学習し、基礎・基本を確実に身に付けられるようにすることが大切である。

(2) 楽しさと充実感のある学習

改善の基本的な考え方の二番目は、楽しさと充実感のある算数学習にするということである。これまで述ぺてきたように、算徴の学習では様々な活動がある。そうした活動の楽しさに気付くことを、教科の目標の中に位置付けている。これは、「学ぶことの楽しさや充共感を味わうこと」があげられたことに対応するものである。
楽しさは、算数の内容や方法の本質にかかわるものである。自らの主体的な活動によって、数量や図形についての意味が本当によくわかったときには、学ぶことの楽しさが感じられる。数量や図形についての技能を確実に身に付け、それを活用していくときには、充実感が味わえる。自分で数学的な考えを生かし工夫をして算数の問題を解決する過程においても、また艀決ができたときにも、楽しさと充実感が味わえる。そうした学習活動を充実させることによって、算数への関心や意欲が高まる。それと同時に、算数好きな子供がさらに増えていくようになると考えられる。

(3) 子供の主体的な活動の重視

改善の基本的な考え方の三番目は、子供の主体的な活動を基にした算数学習にするということである。時間的、精神的なゆとりを生かすことで、具体物を用いたり、実際に作業や体験をしたりする活動もできるようになる。審議会の「答申」においても、「子どもたちがゆとりの中で繰り返し学習したり、作業的・体験的な活動、問題解決的な学習や自分の興味・関心等に応じた学習にじっくりと創意工夫をしながら取り組めるようにする」と述ぺられているところである。
算数の学習は、机の上のノートと鉛筆だけで進めていくものではない。例えば、実際にものづくりなどの作業をしてみたり、教室の内外で体を動かして体験したりしながら、数量や図形の意味を見つけたり、それを確かめてみたりする活動もできる。そうした子供自身による主体的な活動を積極的に取り入れて、算数の学習を進められるようにしていこうとするものである。
さらに言えば、算数における活動は作業的・体験的な活動だけで終わるものではなく、次第に具体物を用いなくても念頭での思考活動ができるようになって<る。そのためにも、具体物を用いたり、実際に作業や体験をする活動に十分に取り組めるようにすることが必要である。

二 算数科の目標


算数科では、教科全体の目標と、各学年ごとの目標とがある。

(1) 教科の目標

教科の目標は次のようになっている。

.数量や図形についての算数的活動を通して、基礎的な知識と技能を身に付り、日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考える他力を育てるとともに、活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き、進んで生活に生かそうとする態度を育てる。

教科の目標では、子供たちが算数の学習において身に付ける資質や能力として重視すぺきものをあげている。その要素となるものとして、「基礎的な知識と技能」「見通しをもち筋道を立てて考える能力」「数理的松処理のよさ」「進んで生活に生かそうとする態度」などがある。これらは、現行の学習指導要領での教科の目標を継承しながら、今後も一層重視していくぺきものである。
今回の改訂では、目標の中に「算数的活動」、「活動の楽しさ」という新しい表現が含まれている。
<算数的活動>
目標のはじめでは、「数量や図形についての算数的活動を通して」と述べられており、この部分が算数の目標の全体にかかっている。子供が算数的活動に取り組むことによって、主体的に算数の知識や技能を身に付けたり、数学的に考える力を高めたり、算数を活用していく態度を身に付けたりすることをねらいとしている。それと同時に、子供が算数的活動に取り組むことそのものも大切なねらいとなるものである。
算数的活動にかかわって、教育課程審議会「答申」における「改善の具体的事項(算数)」では次のように述べられている。「教育内容を厳選し、児童がゆとりをもって学ぶことの楽しさを味わいながら数量や図形についての作業的・体験的な活動など算数的活動に取り組み、敬量や図形についての意味を理解し、考える力を高め、それらを活用していけるようにする。」
ここでは「算数的活動」の前に、「数量や図形についての作業的・体験的な活動など」という例示がついている。このように、外から見てもよくわかるような具体的な活動ももちろん含まれる。そして活動の意味を広くとらえれば、頭の中で数量や図形についての考えを進めていくような、念頭での思考活動も含まれる。
算数の授業の中では、これまでにも多くの活動が取り入れられてきている。「数と計算」では、おはじきやブロックなどの具体物を使って、数の意味を理解したり、計算の方法を調べたりする活動が低学年から行われている。「図形」では、いろいろな素材を用いて実際に図形を作ったり、図形を観察したりしている。これらも、算数的活動の例である。
算数的活動の例をさらにあげてみる。「数の大きさや、数の構成の仕組みを具体物を使って表現する活動」「九九表を構成する活動」「校庭などで大きな円を作る活動」「目的に応じて情報を集めたり、分析したり、表現したりする活動」など「作業的な活動」がある。
「計算の性質を実際の場面で確かめてみる活動」「百メートルの距離を実際に歩いたり、一平方メートルの広さを実際に作ったりして、大きさの感覚をとらえる活動」「校庭の池の両種のおよその大きさを調べる活動」「教科書にある算数の問題場面を友達と協力して実演してみる活動」など「体験的な活動」がある。「数と計算、量と測定、図形など複数の内容を総合させる活動」「数量や図形にかかわる場面で新しい性質や規則性などを見つける活動」「算数の内容や方法を他教科などの学習と関連させる活動」「新聞やテレビなどで表やグラフの使われ方を調べる活動」など「総合的な活動」がある。
このような活動の中で、子供が自分で算数の問題を見いだし、それをよりよく解決していくといった、問題発見と解決の活動を行うこともできる。また、学習した算数の内容を広げたり、発展させたりすることもできる。
子供が算数的活動に取り組むことによって、数量や図形についての意味を見つけたり、理解したり、感覚を豊かにしたりすることが大切である。それは子供自身が納得し、実感できるような学習である。
また算数的活動を通して、子供が自分の考えを試みたり、試行錯誤したりできるようにして、考える力を高めるようにすることが大切である。算数の内容には系統性があるため、子供がこれまでに学習したことなどを基にしながら、自分で工夫をして例題を解決したり、新しい考え方や処理の仕方を生みだしたりするなどの活動も可能である。

(2) 学年の目標

学習指導要領では、第一学年から第六学年までの各学年ごとの目標を示している。各学年において「A数と計算」「B量と測定」「C図形」及び「D数量関係」の各内容ごとに目標を示している(「D数量関係」は第三学年以降である)。
新しい学年目標には、以下のような特徴がある。

@「具体物を用いた活動などを通して」
低学年の各目標では、はじめに「具体物を用いた活動などを通して」と述べている。これは、特に低学年において、具体物を用いて数量や図形についての意味を理解したり、具体物を用いて自分の考えを表現したりすることが必要となることが多いからである。なお低学年においても、念頭での思考活動(例えば頭の中で計算をするとか、図形を思い浮かぺるなどの活動)もある。そのため「活動など」というように、活動の後に「など」をつけている。
また、教科全体の口標に「算数的活動を通して」という部分があることからもわかるように、数量や図形についての作業的・体験的な活動などを各学年において取り入れる必要がある。したがって、低学年の目標にある「具体物を用いた活動など」は、中学年から高学年にかけても必要に応じて取り入れていくぺきものである。
A「感覚を豊かにする」
低学年の目標では、「A数と計理「B量と測定」「C図形」のそれぞれにおいて、感覚を豊かにすることを述べている。特に低学年の時期においては、具体物を用いた活動や、作業的・体験的な活動などを通して、数量や図形の基本的な意味を見いだしていく学習が進められる。そうした場面で、素朴な感覚を身に付け、それを次第に豊かな感覚に育てていくことが大切である。
数についての感覚としては、数を比較するなかで大きさをとらえる感覚や、数の相成の様子をとらえる感覚などがある。
量の大きさについての感覚としては、身近にある具体物などを基にして大きさを判断する感覚などがある。
図形についての感覚としては、ものの形を認める感覚や、その特徴をとらえる感覚などがある。
数量や図形についての感覚を豊かにしていくことは「第3指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い」においても述べられている(内容の取扱いについての配慮事項の(1)及び(6))。感覚を豊かにすることは、中学年から高学年においても引き続き配慮していくぺきものである。

B「計算の意味を理解し、計算の仕方を考え、用いる」
各学年での「A数と計算」にかかわる目標では、整数、小数、分数の四則計算のそれぞれについて、「計算の意味を理解し、計算の仕方を考え、用いること」が述べられている。例えば、第一学年「目標」の(1)の後半では、「加法及び減法の意味について理解し、それらの計算の仕方を考え、用いることができるようにする」と述べられている。
これは、それぞれの計算が必要になる具体的な場面において、作業的・体験的な活動などを通して計算の意味理解を深めることや、これまでに学習したことなどを基にして計算の仕方を自分で考えることが重要だからである。また、生活に必要であったり、学習を続けてい<基になったりする基礎的な計算の技能については、確実に身に付けて用いることができるようにする必要があるからである。
第一学年で学習する一位数の加法と減法の計算は、第二学年以降での加法と減法、乗法などの計算の基になるものである。第二学年以降では、新しい計算の仕方を工夫したり考えたりする学習が進められる。また第四学年以降では、小数、分数の意味や、計算の仕方についての学習がある。そこでも、それ以前の整数の意味や計算の仕方が基になって、自分で工夫したり考えたりする学習が進められるのである。
新しい学習指導要領では内容を厳選しており、時間的なゆとりがいま以上に生まれる。そうしたゆとりを生かして、子供たちが数量や図形についての意味理解を深めたり、数学的に考える力を高めたり、技能を確実に身に付けたり、算数を活用したりできるように、指導の創意工夫をさらに進めていくのがこれからの課題となるといえる。

三 指導計画の作成と内容の取扱い


学習指導要領の最後の部分には「第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い」を位置付けている。今回の改訂で新しくなった部分を説明したい。
「指導計画の作成」においては、(2)、(3)で、「算数的活動」にかかわる事項について述べている。例えば(2)では、「論理的な思考力や直観力、問題解決の能力を、育成するため、実生活における様々な事象との関連を図りつつ、作業的・体験的な活就など墓臥的活動を積極的に取り入れるようにすること」としている。
また、「各学年にわたる内容の取扱い」においては、(1)、(6)で「数量や図形についての感覚」を、(2)で「計算の仕方を考えたり、確かめをしたりする」ことを、(5)で「そろぱんや電卓の活用」を、また(6)では「コンピュータの活用」をそれぞれ述べている。例えば(5)では、「問題脾決の過程において、桁数の大きい数の計算を扱ったり、複雑な計算をしたりする場面などで、そろぱんや電卓などを第4学年以降において適宜用いるようにすること。その際、計算の結果の見積りをしたり、計算の確かめをしたりする場面を適切に設けるようにすること。また、低学年の「A数と計算」の指導に当たっては、「そろぱんや具体物などの教具を適宜用いて、数と計算についての意味の理解を深めるよう留意すること」としている。現行では、そろぱんや電卓などを用いることは第五字年以降となっているが、それよりも一年早く、第四学年以降で用いることとしている。特に、整数の計算についての意味を理解し基礎的な技能を身に付けたうえで、そろぱんや電卓などを問題解決などに活用するようにしたい。

(よしかわ・しげお)


1999/2/25/提示資料