「総合的な学習の時間」を週に3時間組み込む時間割を作って大丈夫なのか?
まず、これが私の最大の心配です。「総合的な学習の時間」のキーワードは「体験」
です。いろいろな所に行って、実際に自分たちで体験していくことが中心になるはず
です。自然条件や、相手の都合もあります。施設に出向くとき、こちらの都合にあわ
せてくださいと交渉できるでしょうか。相手の都合にあわせて予定を組むはずです。
その時に、結局その週の時間割が変更になってしまうなら、固定時間割を作るメリッ
トは少ないのではないか、と考えます。
それならいっそのこと、固定時間割のA週と、「総合的な学習の時間」の都合にあわ
せたB週にしたほうが、すっきりすると思っています。
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混乱を避けるためにもA週・B週案
今回の学習指導要領の改訂で、今までと大きく違うことは、各教科の時数です。
今までは、年間35週であれば、各教科は必ず35で割り切れる時数になっていまし
た。
(小学校1年生は34週。)
今回は、時数表を見ていただければわかるように、35で割り切れるものもあります
が、
ほとんどの教科が割り切れない時数になっています。
では、この時数のもとで、時間割をどう組んでいくか。これは、今後の大きな課題で
す。
個人的に一番心配しているのが、「混乱」です。原則的に全教科を担任だけで受け持
っている
低学年の場合、時数の多少があっても、担任だけの微調整だけで済みます。
しかし、高学年で、一部専科が受け持っている場合は、調整が全校に及ぶ場合があ
り、なかなかたいへんなことになると思います。
調整が専科に任された場合、専科だけの調整ならまだしも、「総合的な学習の時間」
にもかかわっている場合、話しが複雑になってしまいます。原則がなければ混乱し、
その負担は専科にかかってくるでしょう。(精神的なものも含めて。)
もう一つ心配なのは、調整が多すぎて、時間割が一定にならないため、子どもたちが
おちつかなくなるのではないか、ということです。「総合的な学習の時間」の関係で
時間割がちょくちょくかわってしまって、忘れ物が増えたり、学習のリズムが作れな
かったり。
さらに心配なのは、保護者の不安です。私の知り合いから、研究開発学校の裏情報
(どの学校のことか、すぐにわかってしまうかもしれませんが・・・。)が入ってき
ます。知り合いの知り合いがその学校の保護者だからです。正直に言って、どれだけ
学校が「これからは総合的な学習の時間で子どもたちに力をつけます。」と言って
も、算数や国語の力がつかなければ、やはり保護者には大きな不安になるでしょう。
以上のようなことをふまえて、特に「総合的な学習の時間」の導入後、しばらくは、
「総合的な学習の時間」による混乱を少なくする工夫が必要になると思います。
そこで、ここで提案したいのは「A週・B週分割方式」です。
A週は今まで通りの固定時間割制で、1年間同じ時間割ですごします。
B週は「総合的な学習の時間」を中心に、週によって時間割がかわります。前の週ま
でに1週間分の時間割を知らせて、1週間をすごす形になります。
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2002年カレンダーを作ってみました。
試しにA週・B週を分けてあります。
2002年カレンダー
具体的に見ていただいたほうが、イメージがわくと思います。
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「A週」
A週は、「総合的な学習の時間」を組み込まず、完全固定時間割にします。
つまり、今までと同じ1週間をすごします。
年間25週程度はこのA週間にします。
5年生を例にして考えてみましょう。
送受業時数は945時間です。
したがって、945÷35=27
週あたり27時間の時間割表を作る必要があります。
完全5日制ですから、月から金まで5時間ずつで25時間。週に2回は6時間の日を
作る必要があります。
<道徳>
道徳は35時間ですから、A週でもBでも毎週1時間ずつ組み込めます。
<特別活動>
特別活動も35時間ですが、クラブ活動の問題があります。
今までは4年生以上は週あたり、学級活動1時間・クラブ活動1時間を組み込んでい
ましたが、今回の改訂により厳選され、あわせて1時間で、クラブ活動については
「学校において適切な授業時数を配当」という軽減措置が取られています。
ということは、4年生以上は、全クラスがどこかの曜日の6時間目に「特別活動」の
時間に設定しておいて、クラブ活動をしたり学級活動をしたりすることになるのでは
ないでしょうか。
とりあえず、これもA週でもB週でも毎週1時間ずつ組み込めます。
ここからが問題です。
教科名 週時数A週の時数/全時数 B日程で消化する時数
国語 5 125/175 50
社会 3 75/90 15
算数 5 125/150 25
理科 3 75/95 20
音楽 2 50/50 0
図工 2 50/50 0
家庭 2 50/60 10
体育 3 75/90 15
合計 25 625/760 135
A週は「総合的な学習の時間」を時間割に組み込みませんので、この分の3時間分を
他の教科にまわすことができます。上の表のような配当にすると、ちょうど週あたり
25時間です。
これでA週は固定時間割で時数を消化して、不足分はB週で消化していくことができ
ます。
「B週」
B週の中心は「総合的な学習の時間」です。校内の優先順位は「総合的な学習の時
間」にします。したがって、担任以外の教員に「総合的な学習の時間」の担当学年が
あった場合、そこに入ることを優先します。
専科が授業の不足分を補う場合、A週のそのクラスの時間に入れるのが楽です。しか
し、「総合的な学習の時間」で他学年に入る必要がある場合には、必ずそちらを優先
します。この原則を守らないと、せっかくA週、B週と分けた意味がなくなります。
これは、場合によっては調整をするにも弱い立場になって苦しんでしまう場合のある
専科教員への配慮となります。
年間行事予定を決める際に、まずどこをB週にするか(各月の中で休みが多い週や運
動会の直前など)を決めます。学校行事や校外学習などもB週に入れれば、引率など
の調整がつけやすいのではないでしょうか。
「体育の時間数」
運動会の時期になると、やたらと運動会の練習が増え(私はこの練習の時間が大嫌い
です。)、その時数を場合によっては、他の教科に振り替えていないでしょうか。こ
んな理不尽な話はありません。体育をした時間は体育の時間です。これも、運動会の
ある月(2002年カレンダーでは9月)をB週にすると解決します。A週で15時
間不足した分もあります。堂々と体育の時間を、特別日程で取ることができます。
(それでも練習の時間数なんて少ない方がいいです。)
6月下旬から7月にかけては、プール用の特別日程になる学校がほとんどだと思いま
す。これも、この時期をB日程にすることで、効率的に活用できるのではないでしょ
うか。この時期にプールの体育を組んで、その分を、15時間の不足分としたり、A
日程の中で雨が降ったときの分としたりすることができます。その分は、A日程の雨
が降ったときの体育を教科に振り替えます。(子どもも喜ぶのでは。)
「総合的な学習の時間」
1年間は35週で計算していますが、実際には40週以上はあります。そこで、ここ
ではB週を15週(40−25)として考えていきます。(2002年は17週程度
取れる計算になります。→2002年カレンダー)
5年生の「総合的な学習の時間」は110時間です。
110÷15=7.3です。B週は、固定時間割ではありませんから、週によって時
間数の多少がでてきます。平均すると7時間程度になります。しかし、1年間で考え
れば、1学期はある程度教科の方を優先して、2学期、3学期に時間を多く取って、
内容を充実させることができます。3学期にまとめをしたり、発表会をしたりする場
合、教科を先に終わらせておいて、総合的な学習の時間に十分時間をかけることが可
能なわけです。
しかし、一方で、教科の内容が終わらなかった場合の調整時間になってしまう危険性
もあります。こういったことについて、担任の時数管理や進度確認はもちろん、強い
意識付けが必要になってきます。
メールはこちらへ(fwgc4786@mb.infoweb.ne.jp)
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